素材として用意した(できた)のはXJR1200 92’用の前後ホイールです。YAHOOオークションでいろいろなホイールに何度も入札、落選を繰り返し7連敗後に やっとディスク付で販売している物件をゲットできました。ディスク無しは沢山出ていますが、前後3枚のディスクを新規に購入すれば6万円は軽く超えてしまうのでできればディスク付の物件を探してみました。
 ディスク状態が悪ければ同じなんですが前オーナーさんはスグに社外製ホイールに変えてしまったようで曲がり、段減り、歪みもなく最高のコンディションの物をゲットできました。
 今回フロントフォークと三つ又はZXR750 89’を使用します。Rホイール側はできる限りRX用の 部品を使用して組み込んでみます。
  ともあれ、当然の事ながら各種の加工が必要となります。



    1.ベアリングの打替え
    2.Fホイール用ベアリングインナーカラーの作製
    3.メーターギア部の加工(ZXRフォークにXJR用メーターギアが素直に付くはずがありません)
    4.エキセントリックカラー部、スプロケットハブ部の加工によるホイールセンター・チェーンライン出し......などなど

 
 ホイールの比較
車種
リム幅 ディスク径 純正タイヤ
サイズ
アクスル
の径
KAWASAKI
GPZ1000RXA1 86'
3.0 280mm 120/80-16 15mm
3.5   150/80-16 20mm
YAMAHA 
XJR1200 92'
3.5 320mm 120/70-17 17mm
5.5 265mm 170/60-17 20mm
KAWASAKI
ZXR750 89'
3.5 知りません 170/60R17 20mm

 参考 ZZR1100のリヤアクスル  径25mm 全長244mm 部品番号41068-1327

 
  

 ベアリングの比較                                                                                              (単位:mm)
    Fホイール(左右同じ) Rホイール(ハブ側) Rホイール(ローター側) Rスプロケットハブ
車種


型番


型番


型番


型番
XJR1200
純正ベアリング
17 12 40 NTN 6203LU 20 15 52 NTN 6304LU
*2
20 15 52 NTN 6304LU
*2
25
*3
17 62 NTN 6305LU
今回の
使用部品
20*1 12 40 規格品無し
*4
20 15 52 XJR1200用
を流用
20 15 52 XJR1200用
を流用
25 17 62 XJR1200用
を流用

 *1 ZXR750'89用アクスルシャフト(20mm)を使用
 *2 ベアリングに記載されているのは同一型番だがハブ側ベアリングは片面シールドタイプ。普通はベアリングメーカーのカタログでは型番末尾が違う。
 *3  内径が大きいのはカラーが入るため。
 *4 ベアリング用カラーとスペーサーの組合せにより NTN 6904Zを使用


 さて、困ったことにFホイールに使う規格品ベアリングが存在しないことが判明!
 アクスルシャフト17mmに加工し直すとなるとアクスルシャフトを固定するカラーボルトまでワンオフで作るハメになるし 削った後はもちろんメッキをかけないと錆びてしまいます。メッキの外注までしているとなると時間がかかるのでこのシャフトには一切加工をしないことに決定! 
 ともあれ、内径20mmのベアリングとして存在するのは、外径42mm(厚さ12mm)か37mm(厚さ9mm)でした。
 所定のベアリングが入るようにホイールをNC旋盤で追い込んでも(削っても)いいんですが、
ホイールごと工作機械にクランプするのには大変な労力とワンオフの専用「ツメ」をわざわざ作成する必要があるので、今回は簡易的に37mm(9mm厚)を使用してベアリングの外径に合わせて3mmのカラーと厚さ不足分の3mmスペーサーを作成して一緒にホイールに圧入することにしました。
  まともな工作機械を持たない、いいかげんなショップなんかでは多分やってしまう(自分もやろうと思った)でしょうが機械を提供してくれている専門屋の友人が「プロとして絶対にこの加工だけは許せない!」と豪語するので前述の方法であれば後でどうにでもやり直しが利くので今回は「よし」としました。

 メーターギヤの加工
当然ですがXJR1200用メーターギヤはシャフト径17mm用なのでZXR750用のシャフトを通すために20mmに掘っていきます。削る部分は鋳物なので簡単にドリルで貫通できますが、なにぶん形状的に固定するのは相変わらず苦労します。


 Fホイール用ベアリングインナーカラーの作製

上の写真がXJR1200フロントホイール用の純正ベアリングインナーカラーですが、17mmシャフトを通すのにギリギリのサイズのため、これを流用しての加工は不可能となります。

 引き抜き管を買って加工しようかと予定していましたが、なんとベアリングのカタログに既製品が売ってました。長さ94mmは特注品ですが金額も数百円でしたので、注文してしまいました。

 純正は両端部以外は細く削ってありますが(軽量化か?)機能上は全く関係ないので注文品は円柱のまま使用します。


  Fホイールベアリング打ち込み用カラーの作製
左が完成品です。

ベアリングの外側にはめこむ為に公差も「H7」に入るようにしました。ところが.....この形状がクセ物で、1/100mmの精度を持たせるのには、さすがにNCなんぞ素人が削り出すのは不可能なので、「ワイヤー放電切断機」を登場させました。


手前左に見える黒い箱が水槽です。ここに(何やら特殊な溶液が満たされている)に母材を固定して、分速数ミリの速度でバチバチとスパークしながら切り進んでいきます。
手を入れれば感電死するらしいのですが水深くで綺麗な火花を散らしてスパークするのは、ある意味幻想的でもあります。


 Fホイールベアリング用スペーサーの作製
ベアリングの厚さを補う為のスペーサです。見た目では既製品でありそうですが、3mm厚で外径・内径まで考えるとあるわけないのでサクサクと作製していきます。通称「タレパン:タレットパンチング」で一気に形状をプログラムしてぶち抜きます。

「ぶち抜く」という表現がふさわしいほどものすごい轟音です。(笑)

機械には50本の様々な形状の刃がセットされていて左上の写真の様な感じで完成してきます。たった外径40mm程度の部品なんですが、かなり大げさな機械を持ち出して材料も数メートル平方もあるような板を使用してしまいかなり友人の会社には損害を与えてしまいました。

打ち抜いた後は、軽くベルトサンダーでバリを取って完成です。


 Fホイールベアリング用のスペーサーの再作製
最初に作った物が鉄製(右下)だったのですが、まあちょっと思ったよりも変形したり誤差が目立ったので薄めのステンレスで再度作製し直しました。

やはり、つまらないところで手を抜くと後で「シッペ返し」を食らうので面倒でもあえて逆戻りすることも大切です。


 Fホイールへの組み付け(ベアリング編)
左の写真のようにホイールに収まっています。右の写真はベアリングを半分までカラーにはめ込んだ状態です。完全に入れるとピッタリの高さになります。カラーにはうっすらとサビが浮いていますが、これを磨いてしまうとクリアランスが緩くなるのでこのまま組みつけます。
実際にホイールに組み込んだ状態です。写真では見えませんが、ベアリングの下側にはスペーサーが入ってます。

黄色(ベアリングインナー部)
赤色(ベアリングボール部)
緑色(ベアリングアウター部)
青色(ベアリングカラー部)

ベアリングカラーが薄い
(1.5mm) ので圧入は結構曲げないようにドキドキものの作業です。

でもXJRのホイールってベアリングの抜け止めリングがないんですよね。
まあ、両端にはカラーとフォークがあるのでベアリングが抜けてしまうことはないんですがちょっと心配です。<大丈夫かよYANMAHAさん?


 Fホイール編完結
 無事ZXR用アクスルシャフトも入っています。
 ガタも出ず、回転もスムーズで問題ないようなのでこれでひとまずFホイールは完成となります。
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